Amazon創業者ジェフ・ベゾス氏が経営陣と呼んだと話題!
日本経済の成長を恐れ、日本で翻訳されたのは発売から17年後になったビジネス書
ザ・ゴール The Goal/エリヤフ・ゴールドラット著書・三本木亮翻訳
①読むきっかけ
人脈も広く、60代手前になってなお仕事に対しての熱量を落とさない上司に勧められた1冊。
分厚いけど小説で読みやすいと推奨された。
②要役
1.突然の閉鎖通告
ユニコ社ユニウェア部門のアレックス・ロゴ所長が主人公。
ある日、本部長のビルが工事に突然やって来る。今日中にに客のオーダー品を出荷するよう強烈な催促をしてくる。
なんとかオーダーに対応するも、この工場では生産管理が上手くいっておらず、競合との競争に勝てていない状況だった。3ヶ月後には工場の存続が危うい状況であることを知らされ、更にはユニウェア部門自体も売却される話が浮上していた。
2.恩師との再会
アレックスの大学時代の恩師ジョナに再会する。再会をきっかけに企業の目的について考え始めるアレックス。
何のために会社はあるのか…
生産性か?品質か?技術か?利益か?
答えの出ないまま悩み続けるアレックス。
アレックスはもう一度ジョナに会って話を聞くことを決意する。
3.亀裂
やっとの思いでジョナと電話で話ができたアレックス。
アレックスは会社の目的はお金を稼ぐことであるとジョナに伝える。
そこでジョナから新しい指標を教えられる。
①スループット→「販売」を通じてお金を作り出す割合(入ってくるお金)
②在庫→販売しようとするものを購入するために投資したすべてのお金(製造プロセスに溜まっているお金)
③業務費用→在庫をスループットに変えるために費やすお金(支払わなければならないお金)
これについて工場メンバーと共に考えた後、再びジョナに会いに行くアレックス。
そこで「依存的事象」と「統計的変動」についても考えるよう言い渡される。
4.ハイキング
息子のハイキングの付き添いをすることになったアレックス。子供達の歩くペースから統計的変動についての考えを見つけ出す。
工場にてロボットの稼働に当てはめて統計的変動の証明を行う。
証明され、1つの原因は分かったものの他にも問題は山積みであった。
5.ハービーを探せ
ジョナがアレックスの工場に訪れ、工場メンバーと現場を回りながら事実確認を行う。
「システム全体のスピードはボトルネック(最も遅い工程)によって決まる。」の教えに従い、製造ラインの改革を始める。
*ボトルネックを非ボトルネックにする訳ではない。ボトルネックを管理して効率を最大化することが大切(ボトルネックを非ボトルネックにしても他がボトルネックになる)
6.つかの間の祝杯
製品ラインの改革により、少し効果が見えはじめた。しかし、今まで非ボトルネックだったものがボトルネックになっているかも?と疑いはじめる。改めてジョナの指導を受けるメンバーたち。そこで下記の内容を教えられる。
・ボトルネック以上に非ボトルネックが働くと在庫が生まれるだけで利益は生まれない。
・人を働かせることと利益を上げることは別物
これを踏まえ、ボトルネックを中心とした生産活動の見直しが再度始まった。
7.報告書
バッチ処理の変更など、更なる試行錯誤の末大型案件の製造にも成功した工場。
既存の尺度で売上を計算する会社本部との戦いも終え、工場存続とアレックスの昇進が決まる。各メンバーの目標も決まる中、アレックスは今後の管理者としての在り方に迷っていた。
この先マネージャーとなるアレックスが学ぶべきものについて工場メンバーと考えることになる。
8.新たな尺度
部門全体を変えるためにも、プロセスに焦点を当てて考える一同。
1.制約条件を「見つける」
2.制約条件をどう「活用する」
3.他の全てを(ステップ2)の決定に従わせる
4.制約条件の能力を高める
5.ここまでのステップでボトルネックが解消したら(ステップ1)に戻る
工場の中だけでなく、部門全体でマーケティングや営業も含めてポリシーを見直す必要だと考えるアレックス。
各ステップの中で、「何を変える」「何に変える」「どうやって変える」を最初に考えて実行していくことが必要と見つけだす。
③感想
かなり分厚く一見読むのに抵抗を持つが、ストーリー形式で非常に読みやすい。
後半の理論は複雑なシーンもあり、図式などがあれば落とし込みやすいと感じた。(映画verも公開されているとのことでそちらの方が良いかも)
「案件を増やすのではなく、成約を詰まらせている工程を見直す。」
「部分的な見直しでなく全体を踏まえた見直し」
この2点は全てにおいて当てはまる重要なことであると気づかされた1冊。
④おすすめできる人
・仕事が忙しいのに成果が出ず、原因が分からない人
・営業チームやプロジェクトの進捗が詰まりがちな管理職
・部分最適ではなく、全体最適で成果を出したい人
・組織の生産性向上に課題を感じているマネージャー
・「頑張り方」を論理的に見直したいビジネスパーソン
⑤こちらもおすすめ



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